抜歯即時埋入インプラント 歯周形成手術(根尖側移動術)
術前の状態、治療計画 第1段階 右上抜歯即時埋入インプラント
患者 30代 男性
主訴 紹介医よりインプラントの可能かどうかのセカンドオピニオンにて紹介をうけ来院
診査診断 フェールール不足と歯根の長さよりextrusion不可能であり抜歯が必要と診断
治療計画 まず第一段階として、残存歯牙を抜歯し、歯間乳頭が下がる可能性があったため同時に抜歯即時埋入インプラントを行う。
その後第2段階として6ヶ月治癒を待ち、隣在歯との調和を保つために歯周形成外科を行い左右のシンメトリーを確立する。
さらに6ヶ月の治癒を待ち、第3段階としてジルコニアアバットメントとオールセラミックを用いて補綴へと移行する
右上の保存不可能な歯牙を抜歯し即日にインプラントの埋入を行います。この際に用いたインプラントはノーベルアクティブです。
ノーベルアクティブはアグレッシブなネジヤマ構造を取っており抜歯即時埋入に必要な初期のインプラントの固定が得られ易くまた埋入時に微妙なインプラントの位置の補正を行うことが可能です。
まず歯牙を抜歯しその後、頬側に骨の移植を行い術後にボリュームが減ると予測される部位に厚みを作ります。使用した骨の移植材はBio-ossというものです。
他種骨として知られておりブタより採取され滅菌処理された骨です。
そこを使いBSEなどの報告は一切ありませんので安全な材料です。
アメリカなどの先進国では何十年も前より使用されています。
その後頬側に粘膜の厚みを出すため口蓋より結合組織という歯肉の移植片を採取し頬側に足して、仮歯を調整して手術終了です。
写真は術前と、インプラント埋入時と、術直後の写真です。
このように歯牙を抜歯しても自然な術前の状態とほぼ同じ状態でご帰宅可能になります。
第2段階 歯周形成外科手術
6ヶ月の治癒を待ち、歯茎線と歯の切縁の位置をリップと揃えるために歯周形成外科を行いました。
まずステントを入れ理想的な歯茎線の位置をマークします。
その後ピエゾにて骨の調整をして新しい仮歯をセットします。
これでだいぶ歯の長さや歯肉の位置が変わったのがわかるかと思います。
ステントやプロビジョナルや最終補綴はIppin の旗手氏に製作してもらいました。
旗手氏とはアメリカの頃より一緒に仕事をしていたため非常にコミュニケーションが取りややすいです。
彼は僕の師匠であるDr Joseph Kanとずっと一緒に仕事をしていた技工士です。アメリカでずっとラボを開業していましたが、2年前に僕の帰国と同時期に日本に帰国し青山に新しいラボを作り世界中からの仕事を請け負っています。
第3段階 最終補綴
歯周形成外科手術後より6か月治癒を待ち、最終補綴処置に移行します。
ジルコニアのアバットメントをつけ、オールセラミッククラウンにて補綴処置を行います。
術前と術後、だいぶ違うのがわかるでしょうか??
歯の長さや歯肉の位置まできちんとした治療計画を立てれば綺麗に仕上げることが可能になります。
治療期間 1年半程度
治療費 コネクティブ・ティッシュ・グラフト 12万円
GBR(骨誘導再生法) 12万円
根尖側移動術 12万円
インプラント1本 53万円
オールセラミッククラウン前歯部2本 30万円
抜歯即時埋入は非常に限られた条件でなおかつ術式を熟知していないと成功しない手術です。前歯の保存が不可能と診断された方のセカンドオピニオンも当院では受け付けておりますので気軽にご相談下さい。
浦和駅徒歩1分 医療法人社団幸誠会 たぼ歯科医院 理事長
歯周病学会専門医,アメリカインプラント学会専門医
多保学