全顎インプラント埋入手術②(GBR、サイナスリフト)
第二段階 サイナスリフト 第三段階 インプラント埋入手術
第二段階としてサイナスリフトを行いました。
上顎の骨には鼻腔に隣接した空洞が存在し、それらは上顎洞(副鼻腔)と呼ばれます。
大臼歯のインプラント治療においては、副鼻腔の上顎洞の底から上顎歯槽頂までの距離である上顎洞底既存骨の高さが重要になってきます。
上顎洞底既存骨の高さがない場合、インプラントを埋入することでインプラントの先端が上顎洞に抜けてしまう恐れがあります。そうなった場合感染のリスクは高まり、上顎洞炎を引き起こす場合があります。
そのために上顎洞底の位置を上げて、十分な骨の高さを確保するためにサイナスリフトが必要となります。
本症例においては、上顎洞底既存骨が6mm以下であり上顎洞の挙上量が多いためサイナスリフトの適応であると考えられました。
第三段階 インプラント埋入手術
第三段階としてインプラント埋入手術を行いました。
上顎において7本、下顎においても7本のインプラントを埋入しました。
その後、下顎のテンポラリーインプラントを撤去し、撤去後の骨欠損部には人工骨による骨補填を行い粘膜を縫合閉鎖しました。
インプラント埋入から5カ月のオッセオインテグレーション(骨とインプラントが結合すること)の期間を待った後、2次ope(インプラントの頭出し手術)、最終的な上部構造の印象、セットを行いました。
術前、術後の比較
術前、術後の比較です。審美性はもちろんのこと、咀嚼機能も向上しました。
動揺した歯で硬いものが噛めないといった問題や、奥歯がないことで、かみ合わせが安定せずに上手く噛めないといった問題も解決しました。
患者さんは昔のように何でも食べることができること、また人前で歯を出して笑えるようになったことを心から喜ばれていました。
治療期間 2年半程度
治療費 サイナスリフト両側 68万円
Alveoplasty(骨整形術) 10万円〜
GBR 15万円〜
テンポラリーインプラント 3万円 〜
インプラント上下14本 約700万円
浦和駅東口、北口徒歩1分 医療法人社団幸誠会 たぼ歯科医院 理事長
歯周病学会専門医,アメリカインプラント学会専門医
多保学