フラップレスインプラント抜歯即時埋入②
第4段階:骨填入、結合組織移植
第4段階として、抜歯窩とインプラント体とのギャップに骨補填材(人工骨)の填入を行います。ギャップ部分の上部に吸収の遅い骨補填材を充填することで骨の高さが失われるのを防ぎます。
次に口蓋粘膜より結合組織の採取を行い、それを唇側歯肉の粘膜下へ入れ込みます。これにより最終的な被せ物が入った時にボリュームのある自然な歯肉が出来上がります。
第5段階:テンポラリーアバットメントの調整、プロビジョナルセット
次にテンポラリーアバットメント(人工歯根と仮歯をつなぐ装置)の調整を行います。その後、プロビジョナル(仮歯)の調整を行いセットします。
術前に作成したコア(オレンジ色の歯型)により、術前に予測した位置にずれの無いようにプロビジョナルをセットできるように調整をします。
第6段階:上部構造印象、セット
6ヶ月のインプラントと骨の結合期間を待った後、上部構造(最終的な被せ物)の型取りを行います。そして被せ物の形態、色調の確認を行いセットします。
治療期間 1年程度
治療費 インプラント1本 53万円
コネクティブ・ティッシュグラフト 12万円
GBR 12万円
◼︎フラップレスでのインプラントの埋入の適応
フラップレス(歯肉の切開を行わない)での抜歯後即時埋入は切開、剥離による瘢痕を残さず、歯肉形態も損ねないという利点があります。
しかしながら、抜歯後即時埋入の適用は限定されているうえに、フラップレスでのインプラント埋入できる条件を満たす症例はさらに限られています。
フラップレスインプラント即時埋入の適応として、抜歯部位に感染の疑いがないことを絶対条件としています。
加えて、抜歯窩周囲骨に裂開、開窓などの骨欠損はもちろん、辺縁骨形態にも不規則な吸収が確認されない症例に制約されるため本術式を行える症例は非常に限られてくるのです。
本症例を行う上で一番大切なことは、術前に集めた患者さんの口腔内情報をもとに本術式ノオ可否をしっかりと診査診断することだと私は考えます。
浦和駅東口、北口徒歩1分 医療法人社団幸誠会 たぼ歯科医院 理事長
歯周病学会専門医
多保学